期間限定オフの小説最終話用ブログ(2008年7月より運営)
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注意書きは以下略。
…、もう↑の文章も省いていいかな?<ぇ
今回のまとまりは短いですけどお許しを…。
前のスズシロ&櫟の話にくっつけるにしても、次のスズシロvs?にくっつけるにしても
微妙だったので…;
*
「あの」
スズシロの屋敷のダイニングにて、洗い物を終えたばかりの召し使いに、先程テラスの紅茶を片付けた召し使いが声をかけた。
「なんですか、黒葉さん?」
きょろきょろと周りを見渡して、二人以外に誰もいないことを確認すると黒葉は唐突に疑問を投げかけた。
「何者なんですかね、あの子…じゃない、あの人」
「…黒葉さん、主語を言ってくれません?」
「あ、そうですよねっ。あの人、ゼンマイさんってこのお屋敷の近所に住む人って聞きましたけど、それだけなのにやたら大物扱いだと思うんですよね。記憶喪失だからっていう理由だけじゃ私は納得いかないんです、桐津さんは何か知ってますか?」
仕事中とは全く違うその好奇心の塊に、桐津と呼ばれた召し使いは呆れたように溜め息をつく。
「黒葉さん。それを知っても益なんて無いと思いますよ。私もあなたと同じで何も知らないけど、知ろうとは思わないわ」
「つれないなー…」
つまらなさそうな顔をする黒葉に、私でなくて先輩方やスズシロ様に直に聞いたらどうです?と桐津は適当に提案してみた。とんでもない、と黒葉は手と顔を振る。
「そんな勇気私にはありませんよ!」
「黒葉さん、あなた取って喰われるような顔をしなくても…でもそうですね…私だったら僕のくせに王たる私をしつこく嗅ぎ回るような人は切り捨てるかもしれません…」
「…も、もういいです。私お部屋のお掃除に行ってきます」
真面目な顔で考える桐津から逃げるように、黒葉はダイニングから出て行った。ひらひら去っていったメイド服の後ろ姿を、桐津はただぽかんと見つめていた。
「気になるけど…リストラされたくないしなぁ」
変な独り言を呟いて、黒葉は箒の柄を手に取る。黒葉が今いるのは、一階の広い客間だ。あの暖炉の側から掃いていこう、と勝手に決めて進んだそんな時、ジリリリリン、と電話の音が黒葉を呼び止めた。箒を壁にそっと立て掛けて、黒葉は急いで電話の元に向かう。
「…はい、こちらは瑠璃桜家でございます」
「Bonjour」
電話の向こう側から滑らかな発音が聞こえた。異国の人からの電話は『るりさくら』にとっては然程珍しくも無いので黒葉は落ち着いている…はずだった。
――『るりさくら』で働いているんだもの、異国語は勉強するべきだった…。
異国語が話せない。近くには人がいない。黒葉が内心どうするべきか慌てていたその時、電話の向こう側はこう言った。
「其処ノオ嬢様ニ用ガアルンダケど。スグ代ワッテクレナい?」
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自己紹介:
某高校で文芸部に所属していました自称駄文クリエイター。今さっき命名(←)。オリキャラ好きーです。高校在学中に執筆していた「仮死にとらわれ」という作品の最終話をワケあって連載します、ネットサーフィンで辿り着いた方で1話から読みたいって方がいれば声かけて下さいませ。時々詩や日記や作品解説も。
※個人誌「仮死にとらわれ」は2008年度の作品です、年度の表記を怠ったのを今更ながら後悔;
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