忍者ブログ
期間限定オフの小説最終話用ブログ(2008年7月より運営)
[22]  [21]  [20]  [19]  [18]  [17]  [16]  [15]  [14]  [13]  [12
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

もういっちょ記事UP。
全部UPしたら、部誌にはこの作品のあとがきなんて書かなかったけど…って、
ああ、1行書いたんだそういえば<…
此処には1行以上のあとがきを書こうと思います。
あとがきというより謝罪に近いけれど。




Non world Ⅲ




電灯がジジ、という音を立てて消滅するそんな街の中。
色の無い空に、凍りつく空気に、黒髪の少年は怒っていた。
その怒りは少年の前に立つ二人の人物へと向けられる。
「ぼくはキミらの、というよりもカミナリの言うことは聞きたくないね」
こんな世界にしてくれて、と悪態をつく。
怒りは一人の、金髪の彼へと向けられていた。
少年の周りにギュルル、と小さな風が生まれる。
まるで少年の不満に呼応したかのように。
「あんた達には、本当に悪かった」
金髪の彼は弱々しく言った。
悪かったで許されるわけ?
と黒髪の少年は反発する。
――ぼくの世界(遊びば)が破滅しようとしているのに?
金髪の彼を睨むことをやめない黒髪の少年に、もう一人の艶々とした鏡のような髪を持つ女性が口を開く。
「カゼ…カミナリだけが悪かったのではないわ。
 私達だって」
「アメは黙ってなよ。
 もう世界は」
「まだ終わらないわ」
凛と、アメは言った。
彼女の髪がさざめく。
彼女は少年に諭す。
空へ戻りましょう、そして太陽に懺悔して私達の世界を取り戻すの、と。

遠くで建物の崩れる音がした。
それを機会に、冷たさが増したように感じられた。
少年はまだ、考えている。
カミナリの愚行。
アメの諭す希望。
「こう考えろ」
カミナリは意を決する。
「あんた達は世界を取り戻すのと、オレを太陽に突き出して事象を消滅させるために、
 空へ一緒に戻って欲しい。
 全てオレが悪いんだ。
 …迷惑かけてごめんな」
パチ、と。
仄かに金色に発色している彼は、色の無い世界でただ一つ美しいもののように思えた。


PR
この記事にコメントする
お名前
タイトル
文字色
メールアドレス
URL
コメント
パスワード   Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
この記事へのトラックバック
この記事にトラックバックする:
  <<   HOME   >>  
カレンダー
10 2024/11 12
S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
最新コメント
[12/31 夏草]
[12/05 夏草]
[05/17 夏草]
[10/20 白鼠]
[08/16 碧結改め蜜丸]
プロフィール
HN:
柊葉
性別:
女性
自己紹介:
某高校で文芸部に所属していました自称駄文クリエイター。今さっき命名(←)。オリキャラ好きーです。高校在学中に執筆していた「仮死にとらわれ」という作品の最終話をワケあって連載します、ネットサーフィンで辿り着いた方で1話から読みたいって方がいれば声かけて下さいませ。時々詩や日記や作品解説も。

※個人誌「仮死にとらわれ」は2008年度の作品です、年度の表記を怠ったのを今更ながら後悔;
フリーエリア
最新トラックバック
バーコード
ブログ内検索
アクセス解析
忍者ブログ・[PR]