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期間限定オフの小説最終話用ブログ(2008年7月より運営)
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ラスト。
連続で4つ読むと変な感じがするかもしれない…。
部誌連載は2ヶ月ぐらい間があったのでそういう感じはしなかったと思うんですけどね。
…ほら、内容忘れるから違和感無いっていうか←




Non World Ⅳ
 



 
色の無い空、三人の男女はこの広い故郷に帰還した。
最も三人は、もう人間の姿をしていない。目に見えない物質となって空に留まっている。
「もどってきたのか」
声は何処からしたでもなく、世界全体が震わせたもののように感じられた。
元・金髪の少年――カミナリはその声にバチバチと閃光を放ち、訴えるように光った。
「…まだせかいはほろびていないがな。
 おまえはそれをあじわったほうがいいのではないか?」
嘲笑うような声に、カミナリは発光を止める。
最後に1発、パチ、と電気をほとばしらせた。
「このせかいのためならわがみきえてもいいと?
 おまえはそれでせかいがほんとうにすくえるとおもうのか?」
地上では崩壊の音が。
「せかいをもういちどさいせいしたければ。
 おまえたち、ちじょうにみずを。
 かぜを。
 おまえはふたりをかっせいかさせるのだ。
 おまえがいなくなることもせかいがほろぶことにつながるのだ。
 …なまいきなあたまにこれでもかというほどたたきこんでおけ」
三人の体力はもうすでに限界であった。
だが彼らは動き出す。
こんな世界は後にも先にも生まれないだろうから。
愚行を通してでしか学べなかったカミナリは、命を燃やすように強く光り続けた。
世界への懺悔と再生のチャンスをくれたことへの感謝。
バチバチと彼は体を鳴らし続ける。
「わたしももどろうぞ。…このせかいは…わたしもすきだったからな…」
声の主――タイヨウは勢い良く煌いた。
地上は寂れてしまったが、命はまだ動いている。
三人はタイヨウの光に癒され、そして走り続けた。
もう誰にもこの世界は、非・世界と呼ばせない。


 
Fin.
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HN:
柊葉
性別:
女性
自己紹介:
某高校で文芸部に所属していました自称駄文クリエイター。今さっき命名(←)。オリキャラ好きーです。高校在学中に執筆していた「仮死にとらわれ」という作品の最終話をワケあって連載します、ネットサーフィンで辿り着いた方で1話から読みたいって方がいれば声かけて下さいませ。時々詩や日記や作品解説も。

※個人誌「仮死にとらわれ」は2008年度の作品です、年度の表記を怠ったのを今更ながら後悔;
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