期間限定オフの小説最終話用ブログ(2008年7月より運営)
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忌まわしい赤を中和してくれる防御壁が無くなった。
世界があらわになり、赤い野原、目の前の赤い着物を纏った女の子が、奥底に埋めた過去を引っ掻いた。
世界があらわになり、赤い野原、目の前の赤い着物を纏った女の子が、奥底に埋めた過去を引っ掻いた。
『なんで貴方は私を見てくれないの…?』
いつも彼はある女性を忘れられないでいた。
あの日を境に彼女は現世から消えた。
消されそうだったから、消した。
もとい殺してしまった。
最期の一時は鮮明に思い出すことができる。
捨てられ、荒れ果てた小麦畑。
二羽のメジロ。
微かにそよいでくる潮の香り。
人の全く訪れない、それ故心の安らぐ土地。
彼は人が嫌いだったから、その場所が好きだった。
あの日を境に彼女は現世から消えた。
消されそうだったから、消した。
もとい殺してしまった。
最期の一時は鮮明に思い出すことができる。
捨てられ、荒れ果てた小麦畑。
二羽のメジロ。
微かにそよいでくる潮の香り。
人の全く訪れない、それ故心の安らぐ土地。
彼は人が嫌いだったから、その場所が好きだった。
『視界の半分を失ったのにどうして…?』
夕暮れに狂う赤い貴族服を着た彼女。
『恋人なのに、どうしてどうしてどうして私を理解してくれないのよ――!!』
右目が最後に見た景色は、橙の煌きと、その後は真っ赤に潰れてシャットアウト。
神経を何本もぶち抜かれたような激痛。
死ぬかもしれないそんな痛みと赤色は彼の中で結ばれた。
その後に彼は、生きたいという本能のままに動いた。
神経を何本もぶち抜かれたような激痛。
死ぬかもしれないそんな痛みと赤色は彼の中で結ばれた。
その後に彼は、生きたいという本能のままに動いた。
体内で何かが暴れている。
こんな風になってしまったのは彼女が『欠ケモノ』になってしまったからか。
いつから彼女は『欠ケモノ』になったのか。
能力が自分に効かないから余計狂ってしまったのか。
そもそも彼女は何を願っていたのか。
自分はどうして『監視ビト』なんかになり得ているのか。
いつの間にか受け入れている。
そんな事態が憎い。
運命が憎い。
全ての鍵である『セイサクシャ』にあいまみえたのに何もできない。
憎い。
そして、どうしようもない精神状態を抑え付けることのできない自分が、一番憎い。
こんな風になってしまったのは彼女が『欠ケモノ』になってしまったからか。
いつから彼女は『欠ケモノ』になったのか。
能力が自分に効かないから余計狂ってしまったのか。
そもそも彼女は何を願っていたのか。
自分はどうして『監視ビト』なんかになり得ているのか。
いつの間にか受け入れている。
そんな事態が憎い。
運命が憎い。
全ての鍵である『セイサクシャ』にあいまみえたのに何もできない。
憎い。
そして、どうしようもない精神状態を抑え付けることのできない自分が、一番憎い。
――あいつナンカニ、オレト何処カ似タあいつナンカニ、出会ワナケレバヨカッた。
最初カラ大嫌イダト、失セロダノト突キ放シテイレバヨカッた。
最初カラ大嫌イダト、失セロダノト突キ放シテイレバヨカッた。
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柊葉
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自己紹介:
某高校で文芸部に所属していました自称駄文クリエイター。今さっき命名(←)。オリキャラ好きーです。高校在学中に執筆していた「仮死にとらわれ」という作品の最終話をワケあって連載します、ネットサーフィンで辿り着いた方で1話から読みたいって方がいれば声かけて下さいませ。時々詩や日記や作品解説も。
※個人誌「仮死にとらわれ」は2008年度の作品です、年度の表記を怠ったのを今更ながら後悔;
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