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期間限定オフの小説最終話用ブログ(2008年7月より運営)
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弁解のターンです(…

ええっとですね、4時間目がある日は帰りが7時~8時になりまして。
5時間目がある日は8時~9時になるんですよ。
因みに5時間目がある日は月、水、木です。それ以外は4。
土曜も前期は授業がありまして…といっても3時以降には帰ってこれますが。

何が言いたいかって、小説書く気力が薄れるんです…(´・ω・`)
そんな時間割にした私さーせん!

では久しぶりに小説の続きをば。
ほとんど今日書きました←
だから変な部分もあるかもしれません…。
本当こまめに見てくださってる方申し訳ない…orz

 


 
 
 
 
「ハノウさん!
予想していたより早いですね!」
 
「ハノウ…さん?」

 
初めまして、と斜め四十五度きっちり礼をしてハノウは応えた。

 
「怪我をされたお爺さんはそちらのふすまの奥にいらっしゃるんですね?」
 
「そう…ですけど。
えっと、ナズっちゃん、この方はどういう方なん?お医者さん?」

 
ハノウの格好を下から上に眺めて、ツバキはそう言ってみた。

 
「ハノウさんが来てから紹介しようと思ったんだけどね。
この人はハノウ・エイエンさんって方で、ビロウの血縁にある人なの」
 
「えええっ!?そうなん!!
ああだからビロウがさっきどうのって…えっ、待って…ビロウが此処に来るってハノウさん言いましたよね!?」
 
「はい。
ナズナ様から話は伺っていますが、ツバキ様はあんなビロウを好いてらっしゃるとか…」

 
貴女のことを聞いたらビロウはさぞかし調子に乗ってしまいますよ?と、ハノウは苦笑した。
聞けば、ハノウは昼頃のナズナの電話によって呼び出されたそうだ。
この町の医者の数と今日倒れた人の数、需要の方がずっと多い故、
医療に長けた知り合いが外に、しかも割りと近くにいるためナズナはハノウに話を持ちかけてみた。
ハノウは快く了承し今に至る。

 
「お爺の容態は大分落ち着いてるけど、ハノウおじさんがいればもっと安心できるね」

 
にっと笑うリコリスに、ハノウは微笑みながらも奇妙な気持ちを抱いた。
おじさん…。
周りにそんな風に言ってくれる人がいなかったせいか、自分も歳をとったものだと再認識させられる。
ふと、ツバキはハノウの右手に握られた、くたびれた黒いカバンに目を向けた。

 
「あの、荷物ってそれだけですか?」
 
「いえ。
数日分の生活用具の入ったトランクを持ってきましたが」
 
「ならうち運びます…」
 
「ツバキ姉ちゃん、もうカシ兄ちゃんが家の中に運んだから大丈夫だよ」

 
お気遣いありがとうございます、とハノウは細い目でツバキに優しく笑んだ。
ハノウのことをまじまじと見つめているツバキを見て、ナズナとリコリスは同じことを考える。
ハノウの容姿から頑張ってビロウの容姿や雰囲気を想像しようとしているのかな、と。
 
 
 
 
イチョウの家にハノウを迎えた後のカシは、台所で一人、冷蔵庫に背を預けて座り込んでいた。
時折頭を押さえながら。

 
『わたしに会いにきてくれたのね、ぼうや』

 
昨日聞いた声がずっと離れない。鈴が転がったような、可愛らしい女の子の声。

 
「……ッ!」

 
がしり、と再び頭を押さえた。
カシの顔からしてその行動は、悩みによるものだけでは無さそうだ。
ずきずきという痛みに顔をしかめている最中に、こちらに足音が向かってくるのが分かった。
目線を廊下にやってみると、手持ちぶさたそうな少年が急に声をかけてくる。

 
「カシ兄ちゃん!何座り込んでんだよ」
 
「…休憩中、ってところかな」

 
赤い目をぱちくりさせるリコリスを見上げて、カシはゆっくり立ち上がった。
すぐ後ろの冷蔵庫からラップのしてあるマグカップを取り出して、台所の机の上に置いてからリコリスに顔を向ける。

 
「あっちでずっと話してたんじゃなかったのか?」
 
「…つまんなかったからこっち来た」

 
ラップを剥がして中身をスプーンで掬い取ると、透き通った黄緑色のゼリーが照明にきらりと反射した。

 
「なんか、いつの間にか姉ちゃん達だけの会話になっててさー。
ハノウおじさんがきてからも姉ちゃんってばビロウって人のことばっかりだからイライラしてきて…」
 
「きみの気持ちは分からなくも無いな」

 
ふとゼリーを食べる手を止め、マグカップとスプーンをリコリスに差し出す。

 
「食べる?」

 
にかっとリコリスは笑って受け取った。
最初のうちは少しだけ掬って、口に運んでみる。
けれど少しも時間の経たないうちにマグカップの中身は空になってしまうのだった。

 
「カシ兄ちゃんって男なのにお菓子作るの上手いよね」

 
腕まくりをして、今からまた何かを作ろうとしているカシを眺めながらリコリスは呟いた。

 
「そういう偏見はもう古いね。
俺以外にもそういう人は沢山いると思う」

 
きみもいつか作ってみたらいい、と言いながら卵を片手で割って素早く泡立てた。

 
「お菓子作りって楽しい?」
 
「ああ、作るのも、食べるのも凄く楽しいね」

 
顔が妙にきらきらしているカシを見て、ふうんとリコリスは納得した。
二日間一緒にいる中で、この人は今が一番輝いている。

 
「ボクにもお菓子作り教えて、って言ったらカシ兄ちゃんは教えてくれるの?」

 
ぴたり、とカシの手が止まった。

 
「勿論、喜んで」

 
コレを学んでってもいいんだけど、と言うとリコリスは少し言いにくそうに口を開く。

 
「えっと…絶対作れるようになりたいのがあるんだ…」
 
「へぇ。それは、何?」

 
作業工程をさくさく進めながらカシは聞いてみた。
リコリスはカシの足元をじっと見つめてそれを口にする。

 
「チーズケーキ。
とびっきり美味しい奴」

 
小四の子にしては珍しい、とカシはそっと思った。

 
「今日中に教えて、って言ったら駄目?」
 
「…いいよ。コレが終わったら教えようか」

 
ただ、十二時過ぎるかもしれないけれど大丈夫?と心配すると夜更かしは得意だから、とリコリスは親指をびっと立ててみせた。
 
 
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自己紹介:
某高校で文芸部に所属していました自称駄文クリエイター。今さっき命名(←)。オリキャラ好きーです。高校在学中に執筆していた「仮死にとらわれ」という作品の最終話をワケあって連載します、ネットサーフィンで辿り着いた方で1話から読みたいって方がいれば声かけて下さいませ。時々詩や日記や作品解説も。

※個人誌「仮死にとらわれ」は2008年度の作品です、年度の表記を怠ったのを今更ながら後悔;
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