期間限定オフの小説最終話用ブログ(2008年7月より運営)
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4ヶ月以上ぶりの更新です…。
本当はもっと後に更新しようと思ったのですが、今日から千葉の下のほうに行くのと(祖母の家ですけれどね)
もうすぐ夏コミが始まるなあと思いまして(1日目しか行かない&買い物大してしませんがね)
急遽本日UPすることに致しました。
…、とある友人の更新率が高くて非常に羨ましい。←自分が要領悪いだけ
関係ありませんが、そろそろお酒に慣れないとなあと思いつつ、成人してもまだ飲んでおりません。
あ、いや、正式にっていう意味で、ね? 初めて飲んだのは去nげっふごっふ。
お洒落な、隠れ家的なカクテルのお店とか行ってみたい…!
でも私弱いというか具合がよろしくなくなるので2杯以上は飲めないだろうけど。
…それが弱いというんでしょうね。
以下追記より。
本当はもっと後に更新しようと思ったのですが、今日から千葉の下のほうに行くのと(祖母の家ですけれどね)
もうすぐ夏コミが始まるなあと思いまして(1日目しか行かない&買い物大してしませんがね)
急遽本日UPすることに致しました。
…、とある友人の更新率が高くて非常に羨ましい。←自分が要領悪いだけ
関係ありませんが、そろそろお酒に慣れないとなあと思いつつ、成人してもまだ飲んでおりません。
あ、いや、正式にっていう意味で、ね? 初めて飲んだのは去nげっふごっふ。
お洒落な、隠れ家的なカクテルのお店とか行ってみたい…!
でも私弱いというか具合がよろしくなくなるので2杯以上は飲めないだろうけど。
…それが弱いというんでしょうね。
以下追記より。
*
ヒガンは誰かが、それも数人野原に足を踏み入れたのを感じ取った。
町の中にいた時点で、その数人の正体はヒガンには分かっていたが。
そして、もうすぐその数人がこちらに到着することも。
町の中にいた時点で、その数人の正体はヒガンには分かっていたが。
そして、もうすぐその数人がこちらに到着することも。
「ミス・ナズナ!」
ナズナははっとした。
この呼び方はある人物としか思えない。
まさか、あの人がこの町に…教会から外に出たなんて。
ごしごし、と涙を袖で拭って後ろを振り向いた。
この呼び方はある人物としか思えない。
まさか、あの人がこの町に…教会から外に出たなんて。
ごしごし、と涙を袖で拭って後ろを振り向いた。
「ビロウ…と、え…!?」
「ナズっちゃん! リっくん!!」
カシがいなくなったショックで幻でも見始めたのだろうか。
目をこすって瞬きをしてみると、声の通り、やはり其処には見知った人達がいて、自分の元に駆け足でやってくる。
目をこすって瞬きをしてみると、声の通り、やはり其処には見知った人達がいて、自分の元に駆け足でやってくる。
たしっ
その中で自分のことを呼んでくれた――ツバキが一番に駆け寄ってくれて、強く抱きしめてくれた。
朝、リコリスの力の作用で会話できなかっただけなのに、ナズナは久しぶりに再開した友人のように思えた。
朝、リコリスの力の作用で会話できなかっただけなのに、ナズナは久しぶりに再開した友人のように思えた。
「良かったぁ…ナズっちゃん無事で…リっくんは…」
「ツ…ツバキさんこそ大丈夫…?」
リコリスのところに向かう前に、ずる、とツバキの体重がナズナによりかかる。
ナズナはツバキの体を労わって支えた。町の人達、ツバキもナズナ同様力を吸われていたのだ。
それなのに、まっすぐ自分の元に走りよって来てくれて。
ナズナはツバキの体を労わって支えた。町の人達、ツバキもナズナ同様力を吸われていたのだ。
それなのに、まっすぐ自分の元に走りよって来てくれて。
「あの…ツバキさん、色々聞きたいことがあるんだけど…」
「聞きたいことがあるのは、オ、オレだって沢山あるんだけど……!?」
「そこはメガネに賛成だな」
「ぴぴぃ」
「きぅー」
「セリハくん、子供の君でもレディーファーストという言葉ぐらいは知っているだろう?」
「ちょっ…オレはメガネでもないし、子供でも無いんだけど!?」
「わたしから見ればむしろきみは赤ん坊みたいなものなんだがね」
「ビロウ…人をからかうのも大概にして下さい…っ」
真顔で不思議そうな顔をしてみせる白いチャイナ服の長髪の男――ビロウに、ナズナが一番目を疑った眼鏡の少年――セリハが反論の口を開いていた。
続くビロウのからかいを息切れしたハノウが叱責する。
ナズナはハノウからセリハ達がこの町に向かっているという話はカシよりも前に聞いていたものの、実際に顔を合わせるとその驚きは隠せない。
特にそれが大きいのは、実の弟とである。
続くビロウのからかいを息切れしたハノウが叱責する。
ナズナはハノウからセリハ達がこの町に向かっているという話はカシよりも前に聞いていたものの、実際に顔を合わせるとその驚きは隠せない。
特にそれが大きいのは、実の弟とである。
「あの…ね、ナズっちゃん…」
ツバキの声が聞こえて、ナズナははっとする。
もう平気? というナズナの心配にツバキは大丈夫と返し、ナズナの体から離れて二人は座ったまま対峙する形となった。
もう平気? というナズナの心配にツバキは大丈夫と返し、ナズナの体から離れて二人は座ったまま対峙する形となった。
「うち……ちょっと前に目を覚ましたんよ。
寝すぎたと思って、慌てて出かける準備しようと思ったらふらつくし…そう、お爺ちゃんも目を覚ましてたの…!」
寝すぎたと思って、慌てて出かける準備しようと思ったらふらつくし…そう、お爺ちゃんも目を覚ましてたの…!」
「お爺さん起きたんだ…」
良かったね、とナズナは心を込めてツバキに微笑んだ。
つもりだったが、ビロウのするような綺麗な微笑を浮かべることはできなかった。
つもりだったが、ビロウのするような綺麗な微笑を浮かべることはできなかった。
「だけど……その後また変なことが起きて……。
力が抜けるっていうんかな…うちら立ってるのも辛くなっちゃって。
そんな時に玄関のチャイムがなってね、うちらよりもまだ動けたハノウさんが出てくれて…そうしたら…ビロウとハッカちゃんとセリハくんが来たの…」
力が抜けるっていうんかな…うちら立ってるのも辛くなっちゃって。
そんな時に玄関のチャイムがなってね、うちらよりもまだ動けたハノウさんが出てくれて…そうしたら…ビロウとハッカちゃんとセリハくんが来たの…」
「そうだったの…。
あの…変なこと聞くけど、カシの荷物から音叉取り出して鳴らしたのって…」
あの…変なこと聞くけど、カシの荷物から音叉取り出して鳴らしたのって…」
「わたしだよ、ミス・ナズナ」
二人が会話に割って入った声の方を向くと、ビロウがにこりとしていた。
「あの時はわたしも少しまずくてね…、鳴らしたところで少しの時間稼ぎにもならないと思っていたのだが」
急にビロウは真剣な顔になり、片膝をたてて、ナズナと視線を合わせるように屈んだ。
「ミス・ナズナ。
本当にすまない」
本当にすまない」
頭を下げるビロウに、ナズナは少しだけ固まった。
此処で何があったのか、ビロウは全てお見通しなのだろう。
此処で何があったのか、ビロウは全てお見通しなのだろう。
「ビロウは何も悪くないよ、だから顔上げて?」
「いや、わたしがもっと早く動いていればこんなことにはならなかった」
――あなたを泣かせずにも済んだろうに。
ナズナの全てを見た瞳に、ビロウはとても後悔した。
ツバキはただならぬ雰囲気に、質問したい気持ちをぐっと堪えていた。
ツバキはただならぬ雰囲気に、質問したい気持ちをぐっと堪えていた。
「……、カシ売りはどこだ?」
チリン、と髪留めの鈴の音を鳴らして、ハッカは野原の新規参入組の多くが気になっていたことを、誰ともなしに訊いた。
ナズナはまた、自分の中の時間が止まったような感覚に襲われる。
ナズナはまた、自分の中の時間が止まったような感覚に襲われる。
「この状況は一体なんなんだ?」
町の様子もただ事ではなかった。
それに加えて、この野原では植物という植物が死んでいる。
雨が降ったわけでもないのに、大規模な火事は収まっている。
ナズナと一緒にいたはずのカシがいない。
幼い少年が倒れている。
その向こうでは、髪の長い女性と白髪の少年、黒い青年も倒れている。
そして、ハッカ達の様子を静かに眺めている赤い着物の女の子。
確かこの女の子は……。
ハッカの金色の目と目が合うと、赤い着物の女の子もといヒガンはふふっと笑んだ。
それに加えて、この野原では植物という植物が死んでいる。
雨が降ったわけでもないのに、大規模な火事は収まっている。
ナズナと一緒にいたはずのカシがいない。
幼い少年が倒れている。
その向こうでは、髪の長い女性と白髪の少年、黒い青年も倒れている。
そして、ハッカ達の様子を静かに眺めている赤い着物の女の子。
確かこの女の子は……。
ハッカの金色の目と目が合うと、赤い着物の女の子もといヒガンはふふっと笑んだ。
「その強さを秘めた目、ハッカも前と変わらないわね」
「……っ!?」
「そろそろわたし、お話してもいい?
といってももう話す時間もないんだけれど」
といってももう話す時間もないんだけれど」
「その姿、アナタは『セイサクシャ』なのですか?」
ビロウから時々聞いていた容姿を思い出し、ハノウはヒガンに、『セイサクシャ』である彼女にそう訊いた。
道中、『セイサクシャ』の話をビロウから聞いていた二人もはっとする。
道中、『セイサクシャ』の話をビロウから聞いていた二人もはっとする。
「そ、そういえば、ナズっちゃん達が話してた女の子ってこの子…!?
格好とか話そっくりだし…ってそれよりも、リっくん大丈夫なん!?」
格好とか話そっくりだし…ってそれよりも、リっくん大丈夫なん!?」
少し回復したツバキは、慌ててリコリスの元に寄り添った。
「あ、あの! ツバキさん!」
「その子はとうに死んでいるわ」
ナズナの呼びかけも、ヒガンの口から出た事実に戸惑うこともなく、ツバキはぎゅっとリコリスを抱きしめた。
抱きしめてから、ツバキの顔は先よりも青ざめていく。
ヒガンの言葉を肌で実感したせいだ。
賑やかになった野原が、またしんと静まりかえる。
動いているのは、収束しつつある煙のみ。
抱きしめてから、ツバキの顔は先よりも青ざめていく。
ヒガンの言葉を肌で実感したせいだ。
賑やかになった野原が、またしんと静まりかえる。
動いているのは、収束しつつある煙のみ。
「お嬢ちゃんが…リっくんをこんな目に……?」
「……。
リコリスは一昨日の火事の煙を吸いすぎて死んだわ。
火事を起こしたのはあの出来損ないのお人形」
リコリスは一昨日の火事の煙を吸いすぎて死んだわ。
火事を起こしたのはあの出来損ないのお人形」
赤い袖から伸びる指は、枯れた植物の上に倒れたままのウルシを指していた。
「今日まで動いていたその子の中身は別の魂と、時々わたしね。
あなたの問いに答えるなら、その子が死んだのはわたしのせいじゃない。
けれど、わたしがずっとその子を見ていれば助けられた……」
あなたの問いに答えるなら、その子が死んだのはわたしのせいじゃない。
けれど、わたしがずっとその子を見ていれば助けられた……」
ヒガンは少し目を伏せる。
そっと胸の辺りに手を添えて、再び静かに口を開いた。
そっと胸の辺りに手を添えて、再び静かに口を開いた。
「ぼうやを取り込んだせいかしら。
この辺りがとても重たいの。
あなたたちの抱えている想いもより深く分かる」
この辺りがとても重たいの。
あなたたちの抱えている想いもより深く分かる」
「ぼうや…って、まさか、カシ売りか……?」
ハッカの言葉に、ヒガンは手のひらを下に向けた。
手はぼんやりと桜色に光り、手というよりは手の形をした光となる。
はらはらと手のひらから光の粒が落ち、地面に集まっては何か四角いものを形作った。
手はぼんやりと桜色に光り、手というよりは手の形をした光となる。
はらはらと手のひらから光の粒が落ち、地面に集まっては何か四角いものを形作った。
「あれは……カシ様に預けたワタシの手帳……!」
光が収束すると、それはハノウの古い手帳になった。
ナズナと、そしてビロウ以外の想いの波が一気に大きく変化したのをヒガンは感じた。
ナズナと、そしてビロウ以外の想いの波が一気に大きく変化したのをヒガンは感じた。
感じたところでヒガンの表情は変わらない。
「わたしにはもう時間がないの。
だけど、わたしはまだ人間になるっていう悲願を達成していないまま消えるわけにはいかないから、ぼう…カシと、魂的には三度目になるのかしら、交換こをしたの。
カシの全てと、火事の後始末と力の吸収を止めることをね。
……さて、わたしはこの場所から立ち去ることにするわ。
久しぶりにこの姿で人間とお話もできたし、もっとお話したかったけれど」
だけど、わたしはまだ人間になるっていう悲願を達成していないまま消えるわけにはいかないから、ぼう…カシと、魂的には三度目になるのかしら、交換こをしたの。
カシの全てと、火事の後始末と力の吸収を止めることをね。
……さて、わたしはこの場所から立ち去ることにするわ。
久しぶりにこの姿で人間とお話もできたし、もっとお話したかったけれど」
そこまで言い終えたときだった。
ヒガンの視界が素早く横にぶれた。
バチンという音と、頬に衝撃が走ったことから、目の前の人物にぶたれたのだと分かるのに、一秒もかからなかった。
ヒガンの視界が素早く横にぶれた。
バチンという音と、頬に衝撃が走ったことから、目の前の人物にぶたれたのだと分かるのに、一秒もかからなかった。
「こんなことをしても、わたしに肉体的な痛みは感じないわ…ビロウ」
「きみは、人間になる資格なんてない!」
ヒガンの前で強い声を発したビロウの瞳もまた、強い光を宿していた。
ヒガンの言葉は落ち着いたものであれど、ナズナには、なんだかヒガンが怯えたように思えた。
胸の辺りを、着物の襟の辺りをぎゅっと握り、珍しく怒るビロウの次の言葉を待っている。
ヒガンの言葉は落ち着いたものであれど、ナズナには、なんだかヒガンが怯えたように思えた。
胸の辺りを、着物の襟の辺りをぎゅっと握り、珍しく怒るビロウの次の言葉を待っている。
言葉より先に、ビロウの目から一筋の雫が頬を伝った。
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某高校で文芸部に所属していました自称駄文クリエイター。今さっき命名(←)。オリキャラ好きーです。高校在学中に執筆していた「仮死にとらわれ」という作品の最終話をワケあって連載します、ネットサーフィンで辿り着いた方で1話から読みたいって方がいれば声かけて下さいませ。時々詩や日記や作品解説も。
※個人誌「仮死にとらわれ」は2008年度の作品です、年度の表記を怠ったのを今更ながら後悔;
※個人誌「仮死にとらわれ」は2008年度の作品です、年度の表記を怠ったのを今更ながら後悔;
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