忍者ブログ
期間限定オフの小説最終話用ブログ(2008年7月より運営)
[9]  [8]  [7]  [6]  [5]  [4]  [3]  [2]  [1
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

これは去年の文化祭号に載せたものです。
…一昨年の方の作品が好きだという声を聞いたものでもありますorz
この詩?をもとに1P小説が続いたり。1Pってのも難しいですよう。
では続きからどうぞ。


Non World




 

生命力を与える彼女

 

その人はじしんからあふれるしずくで

ひびわれた地はだをいつくしみ

息づくみどりをはげまし

生きとし生けるものたちには

しとりしとり ざあざあと

きまぐれな音色をひびかせるのです

 

 

変幻自在の彼女

 

やらかくつめたい 白のコートに身をつつむときもあれば

すがたのにんしきしづらいときもあれば

光のはからいで すてきな七色のリボンをつけて

ばっちりきめることもあるのです

彼女はきょうも青いほしでじゅんかんしている

 

 

 

はずでした

 

 

 

 

 

 

 

 

 

爽快感を与える彼

 

その人はくるくるかけまわるだけで

無生物にうごきをあたえ

生物をやさしくあいぶし

てんしんらんまんな彼は

さわわさわわ ごうごうと

きまぐれに触感をもてあそぶのです

 

 

悪戯好きの彼

 

命のやどるたねを かたい岩の上にはこんだり

女の子のはく布をひるがえしたり

光がふりそそいでいてもなくとも

そんなの知るか たびたびぜんりょくしっそうするのです

彼はきょうも青いほしであそんでいる

 

 

 

はずでした

 

 

 

 

 

 

 

 

 

恐怖心を植えつける彼

 

その人のせんこうはさつりくの光

かっこいいとよばれても それは畏怖

雨や風にくらべればあらわれるひんども少なく

雨や風のようなかんじょうもなく

ただ この青いほしがつまらなかったのです

 

 

無を招く彼

 

あるとき彼は雨と風をけしかけました

いつもじゅんかんしているだけなんてつまらなくないか?

もっとおもしろいことしてみないか?

ふたりは多少のマンネリズムをおぼえていたので

彼に耳をかたむけました

 

たいようの光がもっともつよいじかん

俺たちいっせいにあばれてみないか?

ちょっとのじかんだけでいいからさ

 

ふたりはでばんの少ない彼のていあんに

 

 

のってしまいました

 

 

 

 

 

天気という事象が消えた日

 

彼らがあばれたとき あまたのせいぶつが息たえ

どうじに彼らをよわらせました

それはつまり はめつへのみちびき

そのかちゅう 彼はたのしくてしかたならなかったのです

たのしさゆえ 力をつかいはたし

重力のなすがままにおちていることにきづくのが

おくれました

 

ふとめざめると空は黒く

にんげんのつくったあかりだけが かがやいています

さきまでの

ざあざあ ごうごうとうなる

かおみしりのすがたも 音もありません

彼のなかに声がひびきました

 

よかったな このつまらないほしも

おまえのようなばかもののおかげで

もうすぐほろびるぞ

おまえたちもほろびるがな

 

彼はちじょうにおもさをあずけたまま

むいしきのうちに さきまで光にみちあふれた

この広い空へと手をのばします―――

 

 

 

 

 

天候の無い青い星は青い星に非ず

すなわち世界に非ず

 

まだじかんはある

空にのばされた手からびじゃくのせんこうをはっし

彼はふらつく足でちじょうをふみしめました

彼がいだくおもいは

ほろびたくないという哀願か

ほんとうにばかなことをしたという懺悔か

はたまた のこされた命だけでもという

いまさらな正義なのかは

分かりません

 

 

はっきりと言えることは

彼のものがたりがはじまったということだけです




 

PR
この記事にコメントする
お名前
タイトル
文字色
メールアドレス
URL
コメント
パスワード   Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
この記事へのトラックバック
この記事にトラックバックする:
  <<   HOME   >>  
カレンダー
02 2024/03 04
S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31
最新コメント
[12/31 夏草]
[12/05 夏草]
[05/17 夏草]
[10/20 白鼠]
[08/16 碧結改め蜜丸]
プロフィール
HN:
柊葉
性別:
女性
自己紹介:
某高校で文芸部に所属していました自称駄文クリエイター。今さっき命名(←)。オリキャラ好きーです。高校在学中に執筆していた「仮死にとらわれ」という作品の最終話をワケあって連載します、ネットサーフィンで辿り着いた方で1話から読みたいって方がいれば声かけて下さいませ。時々詩や日記や作品解説も。

※個人誌「仮死にとらわれ」は2008年度の作品です、年度の表記を怠ったのを今更ながら後悔;
フリーエリア
最新トラックバック
バーコード
ブログ内検索
アクセス解析
忍者ブログ・[PR]